日和見感染症を起こす微生物(日和見病原体)

日和見感染症は、健康な人には感染しないような弱毒の微生物によって引き起こされる感染症のこと。その原因となる“日和見病原体”は、がんや自己免疫疾患などで抵抗力の低下した者に容易に感染し、発症させる。

そんな日和見病原体の例をいくつか挙げる。

参考文献

医学書院 系統看護学講座 専門基礎分野 疾病のなりたちと回復の促進④ 微生物学 第11版第6刷

日和見感染症|健康長寿ネット

日和見病原体の例

日和見病原体の例は以下のとおり。

細菌

日和見病原体となる細菌としては、

  • 黄色ブドウ球菌
  • 緑膿菌
  • 結核菌
  • 腸球菌属細菌
  • エンテロバクター属細菌
  • セラチア属細菌

などがある。薬剤耐性をつけたものもあり、院内感染で問題となる。特に緑膿菌は元々化学療法薬が効きにくいうえに多剤耐性型があり厄介。

真菌

日和見病原体となる真菌としては、

  • カンジダ属真菌
  • アスペルギルス属真菌
  • クリプトコッカス属真菌
  • ニューモシスチス(プネウモキスチス)属真菌

などがある。有痛性の白苔が生じる口腔カンジダ症は、常在するカンジダ属真菌により起こる。

原虫

日和見病原体となる原虫としては、トキソプラズマが挙げられる。感染した猫の糞や調理不十分な豚肉などから感染する。

ウイルス

日和見病原体となるウイルスとしては、

  • 単純ヘルペスウイルス
  • サイトメガロウイルス

などがある。口唇ヘルペスは主に単純ヘルペスウイルス1型により引き起こされる。