【歯科衛生士の微生物学】原虫の宿主と感染経路

原虫の宿主は何なのか?どこなのか?という内容と、感染経路についてまとめました。

参考書籍

医学書院 系統看護学講座 専門基礎分野 疾病のなりたちと回復の促進④ 微生物学 第11版第6刷
医学書院 標準微生物学 第14版

原虫の宿主域

原虫の宿主域は、1種類の生物(例:ヒトだけ)か、複数種類(例:ヒト、ブタ、トリ)の生物(寄生性のない原虫は水中や土壌中に生息している)。

複数種類の生物で起こった感染症のなかで、ヒトと動物の両方で起こる感染症を人獣共通感染症という。

原虫の宿主部位

原虫が寄生する臓器は、種類ごとに決まっている。

下記は一例。

  • 赤痢アメーバ→消化管
  • マラリア原虫→血液組織
  • 膣トリコモナス→泌尿・生殖器

原虫の感染経路

原虫の感染経路は、種類ごとに特徴がある。

  • 大腸バランチジウム→食物媒介性感染
  • 赤痢アメーバ→水媒介性・水系感染
  • マラリア原虫→節足動物媒介性感染
  • 膣トリコモナス→性感染
  • トキソプラズマ属→経胎盤感染

まとめ

原虫には、ヒトや動物に寄生するものと、寄生せずに水中や土壌中に生息するものがある。寄生する場合、1種類の生物か、複数種類の生物を宿主にする。複数種類の生物に寄生したとき、ヒトと動物の両方に起こす感染症を人獣共通感染症という。

寄生部位(臓器)は原虫の種類ごとに違う。感染経路も同じ。