【微生物学】細菌の増殖方法

歯科衛生士のぼらんです。

今回は「細菌の増殖方法」についてわかりやすく説明します。

参考書籍

系統看護学講座 専門基礎分野 疾病のなりたちと回復の促進4 微生物学 第11版第6刷

細菌の増殖方法は「二分裂」

細菌は二分裂により増殖します。

ここでは、

  • 分裂の流れ
  • 分裂頻度
  • 4つの増殖過程

について説明します。

細菌の分裂の流れ

まず、細菌の分裂の流れについて簡単に説明します。

細菌は

  1. 核様体が二分裂する
  2. 菌体に隔壁(くびれ)ができる
  3. 隔壁から菌が二分裂する

このようにして分裂し、増殖していきます。

細菌の分裂頻度

次に細菌の分裂頻度ですが、多くの細菌は増殖に適した環境下では30分に1回分裂します。

つまり、1個の細菌は20時間以上経過すると10億~100億個に増えるということです。

培地でこのくらいまで増えると肉眼で確認できます。

細菌の増殖過程

次に、細菌の増殖過程について説明します。

細菌には

1.誘導期分裂準備の時期
2.対数増殖期分裂をくり返す時期
3.静止期栄養不足やpHの変化で分裂をやめる時期
4.衰退期死滅していく時期

という4つの過程があります。

この過程に合わせて菌数が増えたり止まったり減ったりします。

静止期で栄養やpHなどの環境が整うと、再び増殖を始めます。

分裂後の子細菌は親細菌と遺伝的に同じ

分裂後の子細菌は親細菌と遺伝的にまったく同じです。

細菌を寒天培地で培養すると、1個の親細菌から発生した子細菌が集まってコロニーを形成しますが、上記のことから1個のコロニーに含まれる細菌はすべてクローンだといえます。

まとめ:細菌は二分裂で増殖する

細菌は増殖に適した環境下で、二分裂により増殖します。

その過程には、

  1. 誘導期
  2. 対数増殖期
  3. 静止期
  4. 衰退期

の4つの時期があり、各ステージで細菌数に変化がみられます。

また、分裂後の子細菌は親細菌と遺伝的にまったく同じです。