感染症とは何か、ということについてまとめました。
感染症とは
感染症とは、微生物が生体内に侵入・定着・増殖した結果、引き起こされる症状のこと。
感染症を起こすか起こさないかを決めるもの
感染症を起こすか起こさないかを決めるものは、「微生物の病原性と宿主の生体防御機構の力関係」です。
微生物の病原性の程度は、ビルレンス(毒力)の強弱で表されます。生体防御機構とは、生体が微生物を異物として認識し、排除する機構のことです。
ビルレンスの強い微生物は、健康な生体にも感染症を引き起こします。しかし、ビルレンスの弱い・ない微生物は、生体の防御機構により排除され、感染症を起こしません。
このように、感染症が起こるかどうかは、微生物の病原性と宿主の防御機構の力関係によって決まります。
日和見感染症とは
日和見感染症とは、抵抗力の低下した宿主の体内で、通常であれば無害な微生物が引き起こす感染症のことです。
日和見感染症を起こす微生物を「日和見病原体」といい、日和見感染症を起こしやすい宿主を「易感染宿主」といいます。
伝染病とは
伝染病とは、ヒトからヒトへと伝わっていく感染症のこと。
伝染病患者が増えることを「流行」といい、世界規模で流行することを「パンデミック」といいます。また、患者数は多くはないものの、継続して発生することを「散発的流行」といいます。
侵襲率とは
侵襲率とは、病原体に曝露した集団の中で、感染症を起こした人の割合のこと。微生物のビルレンスを表す指標の一つで、感染症特有の概念です。
まとめ
感染症とは、微生物が生体内に侵入・定着・増殖した結果に起こる症状のことです。そのうち、ヒトからヒトへと伝わっていくものを伝染病といいます。
感染症を起こすか否かは、微生物のもつ毒力と生体の防御機構の力関係によります。通常は、毒力をもたない微生物が感染症を起こすことはありませんが、宿主の抵抗力が低下しているときに感染症を起こすことがあります。この感染症を日和見感染症といいます。