【歯科衛生士の微生物学】微生物とは

微生物とは何なのか、簡潔に説明します。

微生物とは何を指すのか

微生物とは、肉眼では見ることができない小さな生物のこと。微生物は4種類あります。

  1. 細菌
  2. 真菌
  3. 原虫
  4. ウイルス

ウイルスは生物学的には生物ではありません。生物としての構造や機能を持たないためです。しかし、微生物学上ではウイルスも微生物として扱われています。

微生物の大きさ

微生物の大体の大きさは下記のとおりです。(小さい順に並べます。)

  • ウイルス:10~100nm
  • 細菌:1μm
  • 真菌:5~10μm
  • 原虫:10~100μm
補足

微生物の大きさを表す単位について補足します。

nm(ナノメートル):1/10⁹m=0.000001mm
μm(マイクロメートル):1/10⁶m=0.001mm

定規の1mmを想像すると、微生物がどれほど小さいかがわかるかと思います。100μmくらいある原虫でも見えないでしょう。

微生物の生物学的位置

私たちを含む生物は、生物学的に「真核生物」と「原核生物」に分けられます。微生物も同様です(ウイルスを除く)。

  • 真核生物:真菌、原虫
  • 原核生物:細菌

真核生物と原核生物の違いは下記のとおり。

  • 核膜がある
  • 染色体の数が複数
  • ミトコンドリアがある
  • 核膜がない
  • 染色体は1個(例外あり)
  • ミトコンドリアがない

原核生物(細菌)の構造は、真核生物(真菌・原虫)に比べ、単純であることがわかります。

微生物の影響と役割

微生物は私たちの周りで、

  • 病気を引き起こす
  • 食品を腐敗させる
  • 物質を劣化させる

などの悪影響を及ぼします。

一方で、

  • 高分子有機化合物を分解する
  • 発酵作用で食品を作る
  • 抗生物質を作る

などの、私たちのためになる役割も担っています。

微生物にも私たちと同じように、良いところと悪いところがあるのです。

高分子有機化合物というのは、たとえば、動物の死骸や排泄物、枯れ葉・枯れ木などのこと。微生物はこれらを小さく分解し、ほかの生物が利用できるようにしています。微生物がいなければ、地球はこれらで埋もれてしまうのです。

まとめ

「微生物とは」の要点をまとめます。

  • 微生物とは「細菌」「真菌」「原虫」「ウイルス」のこと
  • ウイルスは生物学的には生物ではない
  • 微生物を小さい順に並べると、ウイルス→細菌→真菌→原虫
  • 真菌・原虫は「真核生物」、細菌は「原核生物」
  • 真核生物:核膜あり、ミトコンドリアあり、染色体複数
  • 原核生物:核膜なし、ミトコンドリアなし、染色体1個(例外あり)
  • 微生物は私たちにとって有害でもあり、有益でもある