【微生物学】細菌の発育・増殖条件

歯科衛生士のぼらんです。

今回は細菌について、

  • 湿度
  • 温度
  • pH
  • 酸素
  • 二酸化炭素
  • 栄養

などの発育・増殖条件をわかりやすく説明します。

細菌と湿度

細菌は高い湿度の環境下で発育します。

これは細菌が、生育に必要な栄養素を水分に溶けた状態で吸収するためです。

細菌と温度

大部分の病原細菌は35℃~37℃と、ヒトの体内と同じくらいの温度で発育します。

菌種ごとに、

至適温度発育・増殖に最も適した温度
発育温度域発育・増殖しうる温度域

が決まっています。

多くの病原細菌は60℃・30分間の加熱で死滅します。

しかし、4℃以下の低温にさらした場合、発育・増殖は止まりますが死滅はしません。

細菌とpH

pHとは水素イオン濃度のことで、水溶液が酸性かアルカリ性かを表すものです。

多くの病原細菌が発育しやすいのはpH7.4前後(中性~弱アルカリ性)で、ヒトの生体内のpHとほぼ一致します。

pHも温度と同様に、

至適pH発育・増殖に最も適したpH
発育pH域発育・増殖しうるpH域

が菌種ごとに決まっています。

細菌と酸素

細菌は酸素の要求性により、

好気性菌酸素がないと発育・増殖できない
嫌気性菌酸素があると発育・増殖できない
通性菌酸素があってもなくても発育・増殖できる

の3つに分けられます。

細菌と二酸化炭素

淋菌やカンピロバクター属の菌など一部の細菌は、二酸化炭素を利用して発育します。

(しかし、大気中の二酸化炭素濃度(約0.03%)では低すぎて利用しにくいです。)

細菌と栄養

細菌の発育・増殖に必要な栄養には、

  • 炭素
  • 窒素
  • 無機塩類(ミネラル)
  • ビタミン

などがあります。

これらを化合物や空気中などさまざまなものから取り込み、発育や増殖に利用します。

まとめ:大部分の病原細菌はヒトの体内で発育・増殖しやすい

多くの病原細菌は

  • 湿度が高い
  • 35℃~37℃
  • pH7.4前後(中性~弱アルカリ性)

という、ヒトの生体内とほぼ同じ条件下でよく発育・増殖します。

また、ビタミンやミネラルを欠かせないのも私たちヒトと同じです。