【歯科衛生士の微生物学】細菌が産生するエネルギー

細菌が産生するエネルギーについて説明します。

細菌が産生するエネルギー

細菌は以下のエネルギーを産生します。産生されたエネルギーは物質代謝や物質輸送などの生命活動に利用されます。

ATP(アデノシン三リン酸)

細菌はグルコース(ブドウ糖)を酵素的に分解すると、ATP(アデノシン三リン酸)を産生します。ATPはエネルギーの貯蔵庫です。

プロトン駆動力

「プロトン駆動力」は、細胞膜内外のプロトン(H⁺)電気化学的勾配によって生じるエネルギーのこと。

電気化学的勾配とは「濃度勾配」と「電位勾配」を掛け合わせたもののことを言います。物質には濃度や電位の高い方から低い方へと移動する性質があります。プロトンも同様に、細胞膜の内外にできたプロトンの濃度勾配(濃度の高低)と電位勾配(電位の高低)に従って移動するのですが、そのときにエネルギーが発生します。このエネルギーがプロトン駆動力です。

まとめ

細菌が産生するエネルギーについてまとめます。

  • 細菌が産生するエネルギー:ATP、プロトン駆動力
  • ATPはグルコースの酵素的分解で産生される
  • プロトン駆動力は、細胞膜内外にできたプロトン(H⁺)の電気化学的勾配によって生じるエネルギーのこと
  • 産生されたエネルギーは物質代謝や物質輸送などに利用される